「子育てをしながら、自宅でできる仕事を始めたい」
「今までの経験を生かして働きたいけれど、何が仕事になるのか分からない」
「おうち起業に興味はあるけれど、何から始めればよいのだろう」
このように考えている方もいるのではないでしょうか。
私は看護師として働いた後、フィットネス事業の運営に携わり、現在は2社の会社役員を務めながら、個人でもWeb制作とLINE構築の仕事をしています。これまでに累計60社の支援に携わってきました。
自宅を中心とした働き方を考えるようになったのは、子どもが生まれ、現場中心の仕事と子育ての両立に難しさを感じたことがきっかけでした。
この記事では、私自身の経験をもとに、おうち起業を始める前に整理したい4つのことと、小さく試すための7つのステップをお伝えします。あわせて、実際に在宅中心の働き方へ変えて分かったメリットと大変さも、正直にお話しします。
おうち起業とは
「おうち起業」は法律上の正式な区分ではなく、自宅を拠点に自分で仕事や事業を始める働き方を表す言葉として使われています。
仕事の内容や形は人によってさまざまです。
- 自分の商品やサービスを販売する
- 企業や個人から仕事を受ける
- オンラインで講座や相談を提供する
- Web制作やSNS運用などを請け負う
- 商品を制作して販売する
会社に雇用されて働く在宅勤務(リモートワーク)とは違い、自分で事業を行う場合は、サービスづくりや受注、売上・支出の管理なども自分で担います。
また、開業届を出せばすぐに安定した収入が得られる、というわけでもありません。
まずは「起業すること」ではなく、「誰のどのような困りごとに、自分の経験をどう役立てられるか」を考えることが大切です。
私が自宅でできる仕事を考えたきっかけ
私は、看護師として働いた後、フィットネス事業の立ち上げに携わり、代表者と2人で事業を運営していました。
InstagramやLINEなどのSNS運用、顧客対応、経理をはじめ、事業に必要な業務を幅広く担当し、インストラクターとして現場にも出て働いていました。
しかし、子どもが生まれてからは、決まった場所と時間に出勤する働き方の難しさを感じるようになりました。保育園が休みの日には子どもを連れて出勤することもあり、子どもの体調不良で保育園を休むことになれば、自分も仕事を休まなければならないからです。
「このまま現場へ出続ける働き方でよいのだろうか」
そう考えたことが、働き方を見直す始まりでした。
コロナ禍をきっかけにオンラインで学べる機会が増えたこともあり、私はWebデザインやWebマーケティングを徹底的に学びました。
オンラインフィットネスや自社でのInstagram・LINE運用で経験を積み、その後は外部のお客様のLINE構築・運用代行やInstagram運用代行も担当するようになりました。こうして少しずつ、Webの仕事へ軸足を移していったのです。
現在は、2社の会社役員を務めながら、個人でも開業し、Web制作とLINE構築の仕事を行っています。
過去の経験が今の仕事につながった
看護師の仕事を通じて身についた力は、現在の仕事にも生きています。
- 相手の話を聞き、状況や困りごとを把握する力
- 複数の業務を整理し、優先順位と時間を管理する力
- さまざまな立場の人と関係を築き、協力して仕事を進める力
- 状況に応じて判断し、対応を調整する力
なぜなら、Web制作やLINE構築でも、ツールを操作する技術だけでなく、お客様の話を聞き、困りごとや実現したいことを整理する力が欠かせないからです。
今の仕事も、突然始めたものではありません。看護師、フィットネス、会社運営で培った経験に、Webの知識と技術を少しずつ重ねてきた結果です。
「自分にはスキルがない」と感じていても、これまでの経験を細かく振り返ると、仕事につながる力が見つかることがあります。
おうち起業を始める前に整理したい4つのこと
1.働き方を変えたい理由
最初に、「なぜ働き方を変えたいのか」を考えます。
私の場合は、子どもの体調や保育園の予定に左右される中で、現場へ出続ける働き方に負担を感じたことがきっかけでした。
理由は人によって異なります。
- 子育てと両立しやすい働き方をしたい
- 通勤の負担を減らしたい
- 今までの経験を別の形で生かしたい
- 収入源を増やしたい
- 場所に左右されにくい仕事を作りたい
目的が違えば、選ぶ仕事や必要な準備も変わります。
2.仕事に使える時間
在宅で働けば、いつでも自由に仕事ができるとは限りません。
家にいれば、家事や子育ても同時に目に入ります。子どものそばにいられることと、落ち着いて仕事ができることは別でした。
始める前に、次の時間を具体的に考えておくことが大切です。
- 集中して作業できる時間
- お客様と連絡できる時間
- 急な予定変更に備えた予備の時間
- 学習に使える時間
- 休むための時間
3.必要な収入と使える費用
「いくら稼ぎたいか」だけでなく、「いつまでに、最低いくら必要か」も整理します。
仕事によっては、学習費、パソコン、ソフト、通信費などが必要です。収入が安定するまでに時間がかかる可能性もあります。
生活費をすぐに新しい仕事だけで賄おうとすると、焦って自分に合わない仕事や高額なサービスを選んでしまうことがあります。
まずは現在の生活を守りながら、小さく試せる方法を考えましょう。
4.これまでに経験したこと
「好きなこと」だけで仕事を決める必要はありません。
これまでの仕事、家事、子育て、地域活動などで行ってきたことを書き出してみます。
私も、会社で担当していた顧客対応や経理を、当時は特別なスキルだと考えていませんでした。しかし、相手の状況を聞く力や、業務を整理して続ける力は、今の仕事にもつながっています。次の視点で振り返ると、経験を見つけやすくなります。
- 人からよく頼まれていたこと
- 自分で調べて解決してきたこと
- 長く続けてきた業務
- 相手から喜ばれたこと
- 苦にならず続けられること
- 失敗しながら改善してきたこと
仕事を決める前に、小さく試す7つのステップ
最初から大きな事業計画を立てたり、多額の費用をかけたりする必要はありません。
まずは、自分の経験が誰の役に立つのかを考え、小さく試します。
- これまでの経験を書き出す
- 「4.これまでに経験したこと」で書き出したものを使います。
- 「4.これまでに経験したこと」で書き出したものを使います。
- 仕事に使える時間や必要収入を整理する
- 「平日○時間」「○か月後に月○万円」など、数字で把握しておきます。
- 「平日○時間」「○か月後に月○万円」など、数字で把握しておきます。
- 相手の困りごとを調べる
- 身近な人に聞いてみたり、SNSや口コミでよく見かける悩みを集めたりして、「誰が・何に困っているか」を具体的にします。
- 身近な人に聞いてみたり、SNSや口コミでよく見かける悩みを集めたりして、「誰が・何に困っているか」を具体的にします。
- 足りない知識を学ぶ
- 困りごとを解決するために、自分に足りない知識や技術だけを選んで学びます。
- 困りごとを解決するために、自分に足りない知識や技術だけを選んで学びます。
- 自社や身近な環境で試す
- いきなり外部のお客様を相手にするのではなく、まずは身近な場で実践します。私の場合は、自社でInstagramやLINEを運用してきた経験がこの段階にあたります。
- いきなり外部のお客様を相手にするのではなく、まずは身近な場で実践します。私の場合は、自社でInstagramやLINEを運用してきた経験がこの段階にあたります。
- 結果を振り返り、改善する
- うまくいったこと、いかなかったことを書き出し、次に変えることを1つ決めます。
- うまくいったこと、いかなかったことを書き出し、次に変えることを1つ決めます。
- 提供できる範囲を明確にして仕事にする
- 「どこまでなら自分が責任を持って対応できるか」を決めてから、仕事として受けます。
開業の手続きは、仕事内容と状況に合わせて確認する
個人で事業を始める場合、開業届をはじめ、事業の内容や選択する制度に応じた手続きが必要になることがあります。
提出期限や必要書類は変更される可能性があるため、古い記事や個人の経験だけで判断せず、国税庁などの公式情報を確認してください。
事業計画書は、融資を受ける人だけのものではありません。誰に何を提供するのか、どのくらいの費用がかかるのか、どのように収入を得るのかを整理するためにも役立ちます。
税金、社会保険、許認可などは、仕事内容や家庭の状況によって必要な対応が異なります。判断に迷う場合は、税務署や自治体の相談窓口、税理士などの専門家に確認してください。
失敗を「なくす」のではなく、小さくする
どれだけ準備しても、失敗を完全になくすことはできません。
大切なのは、失敗しない方法を探し続けることではなく、失敗したときの影響を小さくすることだと思っています。
- 最初から大きな費用をかけない
- 生活費を守る
- 小さな範囲でサービスを試す
- 分からないことを放置しない
- 実践した結果を振り返る
- 必要な知識を学び直す
- 一人で判断できないことは専門家に相談する
うまくいかなかったときに、「自分には向いていない」とすぐに決める必要はありません。
仕事の内容、相手、価格、伝え方、使える時間など、どこに原因があったのかを分けて考えることで、次に試すことが見えてきます。
在宅中心の働き方で変わったこと
出社の負担が減った
在宅中心の働き方になり、決まった場所へ毎日出勤する必要はなくなりました。移動にかかる時間や負担が減ったことは、大きな変化です。
子どもの体調不良などで予定が変わること自体は、今でもあります。
ただ、以前のように「職場を休まなければならない」という形ではありません。急な予定変更があっても周囲へできるだけ影響を出さずに済むよう、時間を決めて行う打ち合わせを少なくし、自分で進める時間を調整しやすい仕事を多くしています。
仕事の時間を調整しやすくなった
日中に子どもの対応などで仕事ができなかった場合は、状況が落ち着いてから夜に作業することもあります。
自分で時間を動かしやすいことは、在宅中心の働き方のメリットです。
これまでの経験を組み合わせられた
看護師、フィットネス、会社運営、SNS運用、顧客対応、Webマーケティングなど、これまでの経験を一つに絞らず組み合わせられるようになりました。
一見ばらばらに見える経験が、今のWeb制作やLINE構築の土台になっています。
オンラインで学び、仕事につなげられた
住んでいる場所にかかわらず、必要な知識を学べるようになりました。
私の場合は、複数のオンライン講座でWebデザインやWebマーケティングを学び、自社や外部のお客様の仕事で実践してきました。
在宅で働いて分かった大変さ
一番悩んだのは、仕事と子育ての時間配分です。
「在宅で働けば、子どものそばにいながら無理なく仕事ができる」と考える方もいるかもしれません。しかし、子育てには想像以上に多くの時間と対応が必要です。
家にいるからといって、仕事と子育てを同時に問題なくこなせるわけではありません。
出社による負担は減りましたが、仕事に集中する時間をどう作るか、家族の予定とどう調整するかという別の課題が生まれました。
この点は、現在も試行錯誤しています。
おうち起業は、仕事と子育ての悩みをすべて解決する方法ではありません。ただし、自分の状況に合わせて仕事の進め方や時間を調整しやすくする働き方ではあると感じています。
まとめ
私がおうち起業につながる働き方を選んだのは、子育てをしながら現場へ出続けることに難しさを感じたからでした。
看護師、フィットネス事業の運営、SNS運用、Webの学習。一つひとつは別々の経験でしたが、少しずつつながり、今のWeb制作やLINE構築の仕事になっています。
在宅中心になって出社の負担は減りました。一方で、急な予定変更は今もあります。打ち合わせを減らし、自分で時間を調整しやすい仕事を増やしながら、仕事と子育てを両立しています。
おうち起業は、誰でも簡単に稼げる方法でも、すべての悩みを解決する働き方でもありません。
それでも、これまでの経験を振り返り、自分の生活条件に合う方法を選び、必要なことを学びながら小さく試すことで、自分に合う働き方へ近づくことはできます。
まずは「起業するには何が必要か」だけでなく、「自分はなぜ働き方を変えたいのか」「これまで何を経験してきたのか」を、紙に書き出すところから始めてみてください。
